side effects 2022-2024
2024年の札幌国際芸術祭までの3年間を第一期とし、キュラトリアル・リサーチャーとして明貫紘子を、アーティスティック・リサーチャーとして中井悠を迎えます。
中井が研究を続けている、音楽家のデーヴィッド・チュードアが発案した、《Island Eye Island Ear》(以下、IEIE)は、チュードアが E.A.T.のサポートを得ながら中谷芙二子らと1970年半ばから10年以上取り組んだプロジェクトで、孤島をまるごと楽器化するという構想に基づき、サウンドビーム、霧や凧などを用いて「島の自然を露わにすること」を目論んだものでした。並外れたスケールに加えて、自然と技術に対する特異な思想ゆえに未完に留まったこの壮大なプロジェクトの今日的IEIEな実現可能性を探ります。 また、中井は、サウンドビームや霧、凧といったIEIEの構成要素を、風という不可視・不可聴なものを露わにする媒体として捉える視点に立つと、そこに「影響」という概念が見えてくると言います。この「影響」という言葉をリンクとし、研究者らとの対話を重ねながらリサーチを続けていきます。「影響」という、それ自体が副作用(side effect)的な性格を持つ概念をテーマとして掲げながら、そこに生まれる Side Effects を有機的に取り込んでいきます。